真夏のピークはまだ

前回の更新から今回の更新の間に駅のエスカレーターに片側空けして並ぶ人間を口汚く罵る文章を書いていたのだが、呪いとしての完成度が高まりすぎてしまったのか高熱が出てグチャグチャに体調を崩しながら8月を迎える羽目になった。研究をすすめるぞ〜とモチベーションは仕上がっていたのだけれど発熱と消化器の不調が続いて寝込んだ流れでやっぱりだらだらしています。

 

そういうわけで見せられない邪悪でべとべとな下書きがこびりついたまま8月はもう通り過ぎていきそうだ。成長するということにコンシャスな方にはぜひ罵倒語のボキャブラリーが増えることも成長と呼んでいただきたい。過去のどの夏とも同じように、この夏もまた私とあなたにとってメモリアルなものでなければならないのでそこんとこよろしくお願いします。

 

そして、人を呪わば穴二つだができれば穴だけじゃなく保険証も持っておいたほうがいいということも主張しておきたい。ふらふらの夜の休日診療所に行って医療費を10割負担することによってしか得られない経験値もあるとは思うが、単純に「しんどいよ〜〜」になってしまうので。なりました。もう元気です。(ついでに「お勤め先は…?」「ヤ、学生です…」というやりとりもあり、24歳の夏休みも無事にギアを上げました。そういえばもう4ヶ月も自転車に乗っていなくて、こんなに長い期間自転車に乗っていないのは6歳で自転車に乗れるようになってよりのち、無かったことだ。たしかにチャリを漕ぎ続けていた。そして、おれにとってその季節はいまや終わってしまったものなのかもしれない。最近は毎日地下鉄に乗っています。→冒頭の話題に戻り1万円支払う)

 

働いていなくて長い夏休みをもらったうえでだらだらしていると(ちゃんと勉強はしているので大丈夫です。何が大丈夫かは分かりませんが…)こういうことしか考えられなくて嫌だね。青さを、あるうちにめちゃくちゃぶん回してやるんだぜと思っていて、そういう姿勢にあとで首を絞められても別に構わないとさえ思う若さの原理主義みたいになっちゃってるけど、もうかなり首が絞まっている。延長戦の青春は腐るのがたぶんめちゃくちゃ早い。まだこういうことが言えるうちはずっとこういうことだけを言うと思うし、やっぱりずっとこういうことばかりを言っておきたいのだけど。

 

ともあれ、まだ働いていないのでぶん回せると信じています。

ちなみにフジファブリック聴いていません。とうとうこういう夏があるのか。まだやってないことが多すぎるのでわからないです。ぽんぽんが回復してからは広島に行き、cero presents traffic、藤田嗣治展、バーレスク東京などに行き、映画館で「カメラを止めるな!」と「AKIRA」を観ました。感想がたくさんあるから会ったら話そうぜ。

 

毎日のようにエスニック料理を食べています。

 

さて、近況報告は続き『短歌研究』9月号に短歌が2首掲載されました。短歌研究新人賞に30首連作を応募したものから2首選歌されたもので、「予選通過」2首掲載は応募者全員サービスですが活字になるとうれしい。ありがとうございました。各誌の新人賞発表号は隅から隅まで読むけど特に『短歌研究』はこうして応募者ほぼ全員の歌が何首か載るので読み応えがある。

 

はつなつの代々木の原の清けさや国立冷やし中華資料館

噴水に手を差し入れて待つ未来男の子にも女の子にもリボン /瀬口真司

 

応募した30首連作全体はまた公開するかもしれません。しなかったらすみません。ではまたのちほど。

池袋エピソードⅠ

上京してから1月半が経った。1階がペットショップのマンションに住んでいる。めちゃくちゃ時間がかかったが引っ越しは終えてとりあえず寝床はすぐに確保できたし、本棚も買えた。明日届く。昨日は出しそびれたけどゴミの日は覚えたし、地下鉄の駅の順番ももう問題じゃない。こんなに整然と列ができるものだと思っていなかったけど駅のエスカレーターは今まで住んだところも左列だったから大丈夫。(本当はエスカレーターの列なんかこの世で1番どうでもいいと思っているけどちゃんと並ぶ。これは社会性だろうか。まだわからない。おれはエレベーターが好きだ。)あとはカーテンが揃えばひとまず生活環境が整うところだ。新しい部屋には窓が2つ付いている。

 

東京に来てから今日までの1月半にあったことはさておき、池袋のことをメモしておく。おれもシティボーイになるんや!と勇んで上京してきたが、池袋情報はPOPEYEに載っていなかった。

 

 池袋には中華料理店が多い。どういう背景でそうなっているのかはまだ知らない。北口がホットな土地らしいということは聞いているけど、西口方面以外にはまだそれほど行ったことがなくて情報が足りない。少なくともおれのいる西池袋、要町にはいわゆるチャイナタウンらしさはない。(ほんとうはきちんとした定義があるのだろうけれど)中華料理と中国料理との呼称の違いに自信がないのでとりあえずメジャーだと思うほうを採用して中華料理と言ってしまっているが、フカヒレや北京ダックではなく蕃茄炒蛋や青椒肉絲などどちらかといえば大衆的な料理で商売をしているほうの店だ。西池袋にはそういう店が多い。

 

住んでいるマンションの近所には2軒あり、そのうち家から遠い方によく行く。大学の近くといっても大学通りからは外れたところにあるから、他の客は働いていそうなひとが多い。山手通りに面して、出前用の原付が停まっている。「そんなに仲良くないけど話してみると案外いいやつ」みたいな味のスープとごはんが自由におかわりできる。定番のメニュー「特別サービスセット」は600円から800円だ。完全にお腹がいっぱいになる。

 

この店も中国の地名を冠している。そこの出身者が掲げた看板なのだろうか。それなりに年季が入ったメニューや内装と、自分と同年代のようにもひとまわりほど離れているようにも見える店員さん。赤や金のタペストリーと並んで飾られる知らない有名人のサインと写真の日付は90年代。そっけない接客(サイコーだぜ…)をしてくれる店員さんはこの写真が撮られたとき、なにをしていただろうか。もしかしてもうこの店で働いていましたか?この店名の土地はどういうところですか?奥で料理をしているひとにも聞いてみたい。そこはあなたの故郷なのですか?これはあなたが食べてきた料理と同じものですか?おいしくて安くて助かります、ごはんおかわりください。

 

 

たぶんこの先知ることはないだろうなということはたくさんある。

池袋といえば『デュラララ!!』か?『IWGP』か?おれはどっちもちゃんと知らなくてダメな気がしているけど、このままいくとちゃんと観たり読んだりしないだろうなと思う。池袋、どこから来て集まったのかわからないいろんなひとがいるけどカラーギャングはいません。西口公園は(決して開放的という意味ではないが)自由なところだし、おれもあそこでギターを弾いたり歌会をしたりしてみたい。たぶん一生しないだろうな。

 

池袋、つまり具体的な東京に来るまでは上京に過剰に物語性をくっつけようとしていたように思う。(結局こんな文章をポエティックさのバランスをとるように推敲しているいまもそうかもしれない。エモくなりたくてわざわざ赤い公園の「東京」を流しています。)

漠然とした東京イメージがあって、そこに行けば何でもあるし何か新しいことが待っていて何者かになれるというやつだ。こういうイメージはいつ/なにを読んで培われたんだろう。

もしかしたら今まで何も読んだことがなかったのかもしれない。だってそんなのひどい妄想でしかないし。具体的な東京に来てしまったからいまここには具体的なおれの実人生があり、ぼんやり想像していた姿ほどまだ変われていないおれがいる。あーそういえば新しい部屋には鏡もないなと思う。POPEYEを捨てよ東武に行こう。鏡とカーテンを買わないといけない。

 

 

 

 

 

 

 

いつか照れずにbabyと言う

限界飲酒生活を10日ほど続けており、朦朧とした状態が抜けきらないアルコールによるものか、それともいよいよ浮かれはじめそうな気候によるものか、識別できません。

 

最近おれは飲み会で誰かが生み出してしまった名言や自分の短歌のもとになりそうなフレーズをiPhoneにメモしています。タイトルはそのメモから。

 

ソウル・ファンクミュージックの愛好者として照れずに/自分の言葉としていつか "baby" と言わねばならないと、真剣に思っています。そういう気持ちがマジであるからこれは下句として7・7で整えてしばらく置いてあったんだけど見返したらあまりにダサすぎなので使えねーなと思ってこうして捨てます。でも、気障で気持ち悪くて情けないくらいLOVEな状態になっちゃってるのを真剣にやるのがかっこよくてスウィートなんだと、いつまでも思うんだろうなあ。

 

Zapp & Roger - Ooh Baby Baby(Official Video) - YouTube

 

 

 

進学先、及び新居が決まりました。来月から東京に住みます。すっかり暖かくなっちゃって日に日に寂しくなるけど涙目なのは花粉ではなくハウスダストのせいです。全く部屋が片付けられないまま5年を過ごし、とうとう来週退去の日を迎えるのでいま一生懸命引越しの準備をしています。苦手な手続きも頑張ってやっているけど荷物の整理は進みません。助けてください。5年間1度も使っていないものがバンバン出てきて笑っちゃう。卒業も決まりました。東広島に残る友達には「1抜けして悪いな」と、父と母には「ずっと学生やっててすみません」と、恋人には「待たせてごめん」と、謝ってばかりですが、言いたいです。本当はいつか言っておかなきゃならなかったお礼や、まだ遅くないもっと怒られておいたほうがいいことが無限に思いつく春です。まだ見ぬおれの修士論文には、一旦 "baby" と呼びかけておきましょう。なんとか頑張ってみます。

 

 

友達と酔っ払って脳みそがちぎれるほど笑う午前3時とか4時とかに毎回「大学来てよかった〜〜!」と言っている気がするけど、そういうのはまさに泥酔して頭を使っていなくて天使になっちゃっているために出てくる言葉で、むしろそういうのが本当で、今言っているようなのは全部嘘だと思います。嘘です。

 

 

 

愛しています、愛していました、愛しています。真剣に思っている。

いろんな離れ離れになるひとに「お元気で」と思えるくらいにはおれは元気になりました。

目を見たり手を握りあったりしてそれが言えるのはまだ(あるいはお互いに)先のことかもしれません。今度会ったらチャレンジしましょう。お礼やお詫びはそのときにさせてください。さようなら。おやすみなさい。お元気で。お大事に。乾杯。それから、また会いましょう。

 

 

 

ラジオの話

2月8日、RCCラジオ「ラジプリズム」という番組にお呼びいただいて短歌会を代表して3人で短歌の話をしてきました。いろんなことをやっているといろんなことが起こる。しかしこういう風に取り上げてもらえるのはかなりラッキーでしょう。ありがとうございました。

 

中身は聴いてもらえたらと思います。radikoタイムフリーで聴ける間にどうぞ。エリア内だと無料。20分くらいのコーナーという話だったんだけど思ったより長く出ている。

 

[radiko.jp]RadiPrism | RCCラジオ | 2018/02/08/木 | 22:00-24:00 http://radiko.jp/share/?t=20180208220000&sid=RCC

 

ド緊張しているな。できてない話がかなりあるけどすごく丁寧に扱ってもらって楽しかったです。自作短歌もちゃんと間に合って作れてよかった。締め切り、というか時間が全然守れない人生だ。今回呼んでもらったのとは関係ないけど、実はいまテレビ局で裏方のバイトをしていて生放送を仕切る人の時間感覚に触れる機会がある。プロの管理能力は本当に秒単位だし、そういう社会人もいる一方でおれはいつまでもぬるく遅刻したり昼夜逆転したりしている。さらに今回ラジオのスタッフさんのなかに同世代のひとたちがいていい加減ちゃんとしなきゃ〜〜と強く思った。

 

ラジプリズム」はマンガ・アニメ中心に広くサブカルを取り扱う「ラジオの中の部活動」というコンセプトの広島のSCHOOL OF LOCK的な番組で、たぶん地元中高校生たちの間ではどっち聴いてるかで派閥があったりするんだろう。当然秒単位の世界で喋ってる側のプロであるカンダ部長も凄いひとで何でも拾ってくれるし即詠で一首作っていた。いろんなすごいひとがいる。そしてたくさんの大人がいろんなところにアンテナを張りまくってこういう番組を作っている。

 

ちなみにおれは中学生のときCROSS FMのCROSS SUPER SUNDAYという番組をよく聴いていました。実家は福岡の電波が入ったので。これも学校みたいなコンセプトの番組で、そういうの各地にけっこうあるんだな。途中でパーソナリティが捕まって降板したのとかアシスタントだった芸人がそこからメインパーソナリティになったのとかちゃんと覚えていて、当時のおれは真剣に聴いていたんだと思う。BLUE RIVERという2人とも180cm・100kgオーバーのコンビです。

 

BLUE RIVER 『かっこいい職業』 - YouTube

 

いま思い出して調べて初めてネタを見ました。うわ〜、そうそうこの声。中学生のときよく聴いていたから同級生に会うような感慨だわ。

 

で、まあ中高生のときもよくラジオ聴いてたし、今は毎週菊地成孔の粋な夜電波を聴いてるしで、やっぱりラジオ好きだからいつか自分が喋るとか選曲とかする側になる妄想なんかめちゃくちゃしてきたわけですね。おれは喋るのが上手くないしどんどん下手になっていってるんだけど、そういう意味でも憧れの職業としてラジオパーソナリティはあるな。

ちゃんとしたスタジオで喋るの楽しかったな〜、短歌続けていけばまたいつかこんな機会があるとは限らないけど、そういう目標があってもいいかもしれないと思いました。あとはいつか自分で選曲がしてみたい!

 

 

 

以下、全く関係ない話ですが小沢健二の先行配信されてる新曲がすごくいいです。カップリングは満島ひかりとのデュエット。

 

 小沢健二「アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先) - Single」をApple Musicで

 

歌詞が先に公開されていたんだけど岡崎京子との関係の開示感とか楽曲中での「小沢くん」のところとか 私小説的だと言われていて、確かにポップソングの詞に仕込まれるレイヤーとしてはちょっと複雑すぎるしどうやって「小沢くん」のところを歌うんだと思っていたら映画出演者による朗読でしたね。そうなのか〜〜!!

これラップというよりポエトリーリーディングだと思うけどめちゃくちゃツボだ。かっこいい。本人が歌っていたらちょっと流石にどうかと思うけど吉沢亮の語るところ、こんなの聴いちゃっていいのかとさえ思う仕上りになってる。

 

こういうふうに演劇っぽく複数のひとの朗読とかセリフが織り込まれる曲がそもそも好きで(苦手な人は苦手だよなというのもわかるけど)、□□□や清竜人やそれこそ菊地成孔プロデュースのrinbjoのアルバムとかがあるな。

 

□□□(クチロロ)「TONIGHT」をApple Musicで

Rinbjo「戒厳令」をApple Musicで

 

日本のポエトリーリーディングのかっこいいやつをずっと探してて

小林大吾「1/8,000,000」をApple Musicで

狐火「昨日までのベスト」をApple Musicで

【PV】「Pellicule」by 不可思議/wonderboy - YouTube

 

ガチンコのポエトリーラップではこういうのがあってなんとなく系譜もわかるようになってきたんでどんどん教えてほしいんだけど、最近はもっと朗読寄りのがかっこいいトラックに乗ったようなやつを探したいと思っていたところに小沢健二の新曲が来た。何も言えなくなってしまった。

 

 

ドーパンを聴きながら

我々の愛したバンドDOPING PANDAが昨晩復活しました。

 

【速報】フルカワユタカ主宰<5×20>、DOPING PANDAの3人がアンコールで再集結 | BARKS

 

ハア〜、行きたかった。中高生のとき1番聴いた、とは言えないかもしれないけど特別な思い入れがあるバンドです。初めて聴いたのはmajestic trancer。1番好きなのはやっぱりcrazy。スターが尖り散らかしてて性格が悪いと言われているところも好きだった。もちろん地元の店にCDなんか全然置いてなくてリアルタイムで触れることができた唯一の経験としてdecadanceをよく聴いていました。高校生のときに女の子に貸して、代わりにバンプの音源をもらったね。どっちかというと暗いアルバムです。田んぼの間をイヤホンでこれ聴きながら通学しました。

 

DOPING PANDA「decadence」をApple Musicで

 

2012年の解散時は高校3年生で、まだ家族で行ったドリカム(母の趣味)のコンサート以外にライブに行くという経験がなかったおれは「しまった、間に合わなかった」と思ってすげえ悔しかった。当然大人になったらドーパンのライブで踊ったるんやと思っていた。フジやビークルのときとはちょっと違う衝撃があったのは「行き詰まった」という彼らの解散理由によるものだろう。あんなにサイコーだったのに?なんで?というのが当時全然わからなかった。

2013年、大学1年で初めてモンバスに行ったときに2005年だか2006年だかのモンバスTシャツを着てる人がいて、ドーパン、バンアパエルレビークルみたいなラインナップで、とにかく大きい声でウワー!と言ったのを覚えている。なあ、やっぱりおれたちそれには間に合わなかったんだ。ドーピングパンダ・コンプレックスである。

 

DOPING PANDA : MIRACLE - YouTube

 

で、不在の間もソロ含めてずーっと聴いてて、むしろ大学入ってからのほうがこういう話で盛り上がって思い入れが強くなった面があるけど、もうどうやっても見れないんだよなという話に必ずなるわけで。そこが最高にエモかったりもしたんだけど…

 

フルカワユタカ / 僕はこう語った inc.AL "Yesterday Today Tomorrow" 2018.01.10 on sale - YouTube

 

で、今回です。美しいフラグ回収だけどやっぱり、あるか…?本当にあるか……?と思わずにいられなかった。

しかし、起こされるミラクルにとうとうおれたちは間に合ってしまうかもしれない。今後の展開は一切アナウンスされていないけど、間に合ってしまうかもしれないという可能性にドキドキするくらいいいだろう。一夜限りの復活だったなら今度こそ本当に間に合わなかった格好になる。マジで悔しいから絶対復活ツアーをやってほしい。やっぱないかな…ある…?頼むぜ、スター。

 

DOPING PANDA「THE BEST OF DOPING PANDA」をApple Musicで

 

今日は高校生のときみたいにDOPING PANDAを聴きながら歩こう。

 

 

Shazamがないと生きていけない!


セの「Shazamがないと生きられない!」です、よろしくお願いします。Shazamが好きすぎて本当に書きました。


Shazamは周囲に流れている音楽とテレビ番組を認識するモバイルアプリです。お気に入りの音楽やテレビ番組を見つけて、情報を集め、共有するために最も適した方法です。
( https://www.shazam.com/ja/company より)


一年の総括をする頃に突然Shazamの話を始めて一体なんなんだとお思いでしょうが、皆さんはどれくらいShazam使ってますか?てかShazamやってる?おれは昨日確認したら2017年中に340曲Shazamしてました。ほぼ1日1曲ペースだけど、わざわざ言ってびっくりするほど多くはないのかも。でもそのときはかっこいいと思ったからShazamしてるのに実際どれくらい気に入ってあとで聴いたかを考えるとけっこうこわい数字なのかも。

まあ〜〜気がついたら起動してますね。テレビ見てShazam。服屋に行ったらまずShazam。ご飯食べに行ってShazamはマナーが悪そう。かかってる曲が何かわからないと気持ち悪くなるくらいには習慣化してます。多くの人がそうであるように(と確信しています)おれは最近音楽聴くのほとんどApple Musicですが、Apple Musicにあるやつは勝手にプレイリストにしてくれてマジ便利でした。Spotifyとの連携の調子はどうですか?ちなみにShazamはAppleに買収されているらしいです。無くならないんだったらそれはおれの興味ではありません。まだ使ってない人はぜひ、どうぞ。そしてかっこいい使い方を紹介してほしい。なぜならおれはShazamが上手くなりたいから。


このテキストはタイトル通り、それ自体がおれの趣味と化しつつあるShazamについて、Shazamした楽曲、Shazamした場所(どこで ShazamしたかはShazam上にはもちろん表示されないがこれがけっこう大事だろうと思う)を記録していくやつをやろうかなと思っていたんですが、いま重要なことを書いた気がするのでまずそれをやっていいですか。えっ、Shazamが上手くなる?ってあるのか?


冒頭の問いに戻ります。
みんな実際どれくらいShazamやってるんだ?


いま、そもそもあまり使わないひとや使ったことがないひとを切り捨ててしまいましたが、ひとまず続けます。
おれはもともと音楽を聴くのが好きで、新しい/知らなかった楽曲をDIGすることがなにより楽しかったのだけど、現在おれのそうした行為は、YouTubeApple Musicで生成され続ける「あなたへのおすすめ/For You」を聴かず嫌いしない(がんばる)、CD屋の試聴機、雑誌、信用できるマイメンたちのリコメンド(本当にありがてえ)などの古典的、あるいは今日的な方法に並んで、今日的なほうの代表格である「Shazamを起動すること」がとてつもなく重要な位置にあって成り立っています。主な対象は、その場のあらゆるDJがプレイする楽曲、テレビCM(うまく聴き取ってもらえず成功率は低い)、菊地成孔のラジオ、怒涛のジャズファンクがBGMな中華屋などです。あと、ライブの開演前にかかってるやつはだいたいこだわられたのがかけられてますよね。

最新の/これまで知らなかったかっこいい楽曲の情報を手に入れ、リフだけ知ってる有名曲のタイトルをちゃんと知るためのShazam。(Shazam以前は歌詞の一部を頑張って聞き取って検索して答え合わせをしていたことも忘れないでいたい。洋楽やインスト楽曲の検索は大変楽になった。中学生のときラジオで一瞬だけ聴こえたかっこいい曲がスペアザの「star」だったことを突き止めるまでいったいどれほど時間がかかったことか。すぐ一生懸命メロディーの耳コピをして忘れないようにして次に同じ曲に出会って曲名がわかった時には高校生になってしまっていました。)

 

で、さらに問題なんですが、


Shazam起動してる画面をひとに見られるのけっこう恥ずかしくないですか?

 

それ2017年末の話題か?ということはさておき、これマジで疑問というか半分悩みなんだけど、暗いところであの青い画面がめっちゃブォーンと光るなぜか恥ずかしいような気がして隠してしまいます。なんか浅ましいことをやっているような気持ちがするんだけど。みんなどれくらいShazamしている?というのはShazamするときどんな気持ち?に繋がる疑問です。質が頻度を左右するのではないか?


これひとつは、サブカルやってると陥るスパイラルとしての「これ知ってなきゃ」みたいな、、、、あ〜〜これなんか考えると果てしなくて気持ちがドロっとしてくるな(これたぶんちゃんと名前もつけられて論じられてて、たぶん本とかになるくらいサブカルやってる人の間では「ある」問題ですよね。いや、知らんけども。)まあマウンティングの話ですけど、本来なら先行研究を引くべきところなのでしょう。勘ですけど。ここは一旦スルーしますね。


ありませんか?これ。なんとなく伏せて起動して青い光が漏れてバレてるのが一番ダサいのかもしれない、とビビりつつクラブだろうが友達のカーステだろうがなんとなくコソコソ起動してしまう。名前は見たことあったけどちゃんと聴いたことなかった、これいいね、とか言いながら。「あっ、こいつShazamしてる」は「いま流れてる曲が気になった/カッコいいと思ったんだ」がバレることですからすでに借り物でできてるハリボテの価値観が露骨にバレる恥ずかしさがあります。いや、それは本当は違って視線に過剰な意味が込められてなかったとしても被害妄想的にそう思ってしまう、ということかもしれないのですが。「あっ、あのひとこっそりShazamしてる」は自分が気にしちゃうだけにおれもよく気づいてしまう。

自信を持て、ダサいと思われたくない気持ちがバレるのはもっとダサいんじゃないか。そこはセンス磨いてくれてありがとうと言えたらいい。

でもでもオシャレな店でBGMをShazamしてるところだけは絶対に見られたくない!できるだけこっそり持ち帰りたい!そして、前から知ってましたケドの顔をしていたい!これはやっていく以上永遠に終わらない戦いだ。書いてて死にそうだ。こんな気持ちに気づきたくなかった。Shazamがないと生きていけない!は一瞬だけShazamがあるせいで生きづらい、でもあったのだ。

 

ちがいますねえ、Shazamは悪くないわよ。
あともうひとつ浅ましさにつながるものとして、おれが好きになりそうな感じの楽曲をひとつ残らず聴いておきたい、というけっこうネチョッとした欲があることに気づいてしまう。映画が発明された時点では世界中の映画を全部見ることが可能だったみたいな話あるけどそれはたぶんもうどう考えても無理だし、あと「聴きたい」じゃなくて「聴いておきたい」であることのネチョ感はやはり無視できないと思う。けど、厳密にこう言うしかないんじゃないかと思いました。何かに詳しいことで自分が誰かの優位に立ちたいとはあんまり思わないけど置いて行かれたり舐められたりするのはイヤ。だからあらかじめ「聴いておきたい」。

おれはこれ友達同士より、ライブ会場とか知らないひと同士だけどだいたい同じものが好きなひとたちが集まるところで発動しやすい(Twitterでみるライブキッズのアカウント名@〇〇余韻/〇〇参戦をわざわざ書く文化は自分がいまファンとしてどのレベルにあるかをアピールする記号であり、話のわかる奴として見てほしいという要請であるように見える。これも先に言及がありそうだし詳しく見始めるときりがなさそうなので一旦保留)と思うけど、どうですか結局何のオタクに置き換えてもあるあるですかね。お互いこんなのでのたうちまわりたくないっすね。

できるだけヘルシーなShazamユーザーでいたい。知らない曲を初めて聴く喜びでずっと感電していたい。目を見て素直に好きと言いたい。それがたとえ知らない曲だったとしてもダンスをする、ダンスフロアにいる限り。つまり、音楽を聴く限り。アッ


では最後に(本当はこれがやりたいだけだった)今年Shazamしてめっちゃ聴いたお気に入り、かついいShazam体験をしたなと思う個人的年間ベストShazam楽曲を思い出とともに何曲か振り返って終わります。

 

1. Who’s Got You Singing Again/Prep

https://itunes.apple.com/jp/album/whos-got-you-singing-again/1152470810?i=1152470987
https://youtu.be/h-Yiku4Al48


2017年1月15日 06:09
場所はたしか大阪のマクドナルド。バンドで遠征したときの夜行バスから降りたところだったはず。PREP誰やねんということはいまだにほとんどわからないままです。教えてください。

 

 2.はるなつあきふゆ/青葉市子

https://itunes.apple.com/jp/album/はつなつあきふゆ/720743229?i=720743534


2017年3月8日 14:14
場所は横川 本と自由
開店時間ジャストくらいに行ったらまだ開いてなくてわざわざ開けてもらった。小さくかかり始めたBGMの一曲目がこれでめっちゃいい本屋やなと思った。めちゃいい本屋です。


3.Animal Spirits/Vulfpeck
https://itunes.apple.com/jp/album/animal-spirits/1160118965?i=1160119315
https://youtu.be/qTUnDV3MgVQ


2017年5月3日 02:52
MVが愉快。深夜大学でのブロックパーティーで打越さんがドロップした一群のサイコーシットのなかでも特にハマってよく聴きました。ナイスピロートークレモンでした。新しいアルバムもナイス。


4.If You’ve Got It, You’ll Get It/Jestofunk
https://itunes.apple.com/jp/album/if-youve-got-it-youll-get-it/599665285?i=599665711


2017年6月9日 23:21
銀山町 深夜的中華食堂にて
このお店がマジで美味くて最高でShazamしてる回数もめっちゃ多くて実際全然選べないんだけど、確かSANABAGUN.のライブに行った帰りにはたせと行った日のやつ。聴取体験が食欲と結びついてこれを聴くとめちゃくちゃお腹が空く体になってしまった。イントロのエキゾな感じはあるかもしれないけど普通こういったビートを聴いても麻婆のことや宜賓燃面のことは思い出さないはずなのでおれは何らかの改造を施されてしまったのかもしれない


5.びわ湖わんわん王国/CASIOトルコ温泉 

https://itunes.apple.com/jp/album/びわ湖わんわん王国/1276053910?i=1276054006
https://youtu.be/lwDJgl-D4Vg


2017年10月9日 01:36
岡山stars onでneco眠るを見て→新メンバー?のキーボードの女の人やばかったね誰なんだ→おじまさいりさん→CASIOトルコ温泉というユニットをやっている→新曲をYouTubeでDIGしたのがこれという流れだったと思うので純粋Shazam(?)ではないのだけど、これはすっげー衝撃だった。今年絶対に忘れられない収穫です。


6.Death With Dignity/Sufjan Stevens
https://itunes.apple.com/jp/album/death-with-dignity/956727102?i=956727106
https://youtu.be/9h6gQVxJO9w


2017年10月12日 03:56
菊地成孔の粋な夜電波より
10月7日放送分をradikoタイムフリーで聴いたんだったと思う。この回土曜深夜4時に時間が動いたシーズン14の初回にしてここ数年の音楽コンサートでおきたテロの被害者追悼回。20分くらいの語りののち流されたのがこれ。ライブ映像を見ると名前の分からん楽器が使われている。

 

以上です。個人的な体験と音楽が結びついて記憶されるのがShazamのすげーところかもしれない。来年もいっぱいShazamするぜ。みんなの年間ベストShazamもぜひシチュエーションとともに教えてくれ。あとこれ今後はたぶんふつうの日記を書きますね。1月1日に始めないのが乙なところです。ではよいお年を。